糸リフトは6か月後も効果がある?MINT LIFTの臨床研究を医師が解説

Director's Column

糸リフトは6か月後も効果がある?
MINT LIFTの臨床研究を医師が解説

たるみ治療の正しい知識を、わかりやすくお届けする「院長コラム」第12回
院
執筆・監修:宮﨑 修平(THE LIFT CLINIC FUKUOKA 院長/医学博士)
論理と医学的根拠に基づく診療を大切にしています。医学論文をもとに、糸リフトについて発信しています。

「糸リフトは直後だけで、すぐ元に戻ってしまうのでは?」糸リフトを検討されている患者様から、よくいただくご質問のひとつです。

今回は、当院でも採用しているMINT LIFT(ミントリフト)について、治療6か月後の効果を評価した臨床研究[1]をご紹介します。

結論を一言で

PDO糸「MINT LIFT Fine」による糸リフトを受けた21名を平均6.3か月間追跡した研究では、約90%(19名)が6か月後の時点でも医師から「改善」と評価されました。ただし対象は21名と少なく、比較対象を置かない後ろ向き研究であり、より長期の効果まではこの研究だけでは判断できません。

CONTENTS
  1. MINT LIFTとは?
  2. 21名を約6か月間追跡
  3. 糸リフトは「皮膚を引っ張る治療」ではない
  4. 合併症について
  5. 糸リフトの効果はどのくらい続く?
  6. まとめ
  7. よくある質問
  8. 自由診療に関する重要事項
  9. 参考文献

1. MINT LIFTとは?

MINT LIFTは、PDO(ポリジオキサノン)という吸収性素材から作られた糸を使用するスレッドリフトです。糸には組織を捉える「コグ」と呼ばれる構造があり、下垂した組織を適切な位置へ移動させることで、フェイスラインなどのたるみ改善を目指します。

今回の研究では、そのなかでも細径タイプの「MINT LIFT Fine」を用いて、ほうれい線、鼻頬溝(がんきょう溝)、マリオネットライン、頬〜フェイスラインのたるみなどを治療しています。

2. 21名を約6か月間追跡

研究対象となったのは、軽度〜中等度の顔のたるみを認める21名(男性2名・女性19名)[1]。平均年齢は49.24歳(35〜62歳)で、治療から平均6.28か月後(約6.3か月後)に、2名の医師によってGAIS(全体的な美容改善度評価)スコアで効果が評価されました。

その結果は次のとおりでした。

評価人数(割合)
大きく改善(Very much improved)3名(14.3%)
かなり改善(Much improved)9名(42.9%)
改善(Improved)7名(33.3%)
変化なし(Unchanged)2名(9.5%)
悪化(Worsened)0名(0%)

つまり、21名中19名(約90%)が、6か月後の時点でも「改善」と医師から評価されたことになります。なお、治療部位(中顔面+下顔面/下顔面のみ/中顔面のみ)による評価スコアの差は、統計学的には認められませんでした。

3. 糸リフトは「皮膚を引っ張る治療」ではない

この論文で特に興味深いのは、治療の考え方です。糸リフトというと、「糸で皮膚を無理やり引っ張り上げる治療」というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、この研究では糸を皮下脂肪層に挿入し、加齢によって下垂した皮下組織を、本来あった位置へ移動させるという考え方で治療が行われています[1]。

実際の糸リフトでも重要なのは、単純に強く引っ張ることではありません。顔のたるみ方や脂肪の位置、輪郭などを評価し、「どの組織を、どの方向へ移動させるのか」を設計することが重要だと当院では考えています。

4. 合併症について

今回の研究では、21名中4名(19.0%)に合併症が認められました[1]。内訳は、挿入口の陥凹が1名(マッサージで4週間以内に改善)、皮膚の凹凸が2名(3週間以内に改善)、左右差が1名(追加治療の後、糸の露出が4か月後に自然に改善)でした。

いずれの症状も、最長4か月以内に改善しています。もちろん、糸リフトは医療行為であり、腫れ・内出血・凹凸・左右差・感染などのリスクを完全になくすことはできません。そのため、適切な層への挿入や、一人ひとりの顔に合わせたデザインが重要になります。

5. 糸リフトの効果はどのくらい続く?

今回の研究から言えるのは、「MINT LIFT Fineによる改善が6か月時点でも確認された」というところまでです。研究対象は21名と少なく、比較対象を置かない後ろ向き研究であり、長期間追跡した研究ではありません。著者らも、より大規模で長期間の前向き多施設研究が必要だと述べています[1]。

そのため、この論文だけを根拠に「○年間効果が持続する」と断定することはできません。

糸リフト
MINT LIFT
PDO糸

福岡で糸リフトについてさらに詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
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6. まとめ

  • MINT LIFT Fineによる糸リフトを受けた21名を平均約6.3か月間追跡した研究で、約90%(19名)が「改善」と医師から評価された
  • 合併症は21名中4名(19.0%)に認められたが、いずれも最長4か月以内に自然に改善した
  • 糸リフトは、皮膚を強く引っ張る治療ではなく、下垂した皮下組織を適切な位置へ戻す治療である
  • 対象21名・後ろ向き・単施設の研究であり、6か月より先の効果の持続期間はこの研究だけでは判断できない

今回ご紹介した論文からもう一つ分かる大切なポイントがあります。糸リフトは、単純に皮膚を強く引っ張ればよい治療ではないということです。加齢によってどの組織が、どの方向へ下垂しているのか。それを評価したうえで、適切な組織を適切な方向へリポジショニングすることが、自然な仕上がりを目指すうえで重要だと当院では考えています。

7. よくある質問

QMINT LIFTの効果は何年くらい続きますか?
A今回ご紹介した研究では、6か月後の時点で約90%の方に改善が確認されています。ただし研究の追跡期間は6か月程度までで、それより長期の持続期間を断定できるデータではありません。糸の種類や本数、施術部位、たるみの程度によっても個人差があります。
Q糸リフトはどのくらいの割合で合併症が起きますか?
A今回の研究では21名中4名(19.0%)に挿入口の陥凹・皮膚の凹凸・左右差などが生じましたが、いずれも最長4か月以内に自然に改善しています。合併症のリスクをゼロにすることはできませんが、適切な層への挿入や一人ひとりに合わせたデザインでリスクを抑える工夫が重要です。
Q糸リフトは皮膚を強く引っ張るほど効果が出ますか?
Aいいえ。今回の研究をはじめ、糸リフトは皮下脂肪層に挿入した糸で下垂した組織を本来の位置へ戻す治療です。単純に強く引っ張ることよりも、どの組織をどの方向へ動かすかという設計が重要だと当院では考えています。

8. 自由診療に関する重要事項

当院の糸リフトについて

糸リフトは自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。

主なリスク・副作用:腫れ、内出血、痛み、挿入部の凹凸・陥凹、左右差、感染、糸の露出などが生じることがあります。多くは数日〜数週間で改善しますが、まれに追加処置が必要になる場合があります。

治療について:効果の持続期間には個人差があり、糸の種類・本数・施術部位・たるみの程度によっても異なります。当院では診察のうえ、お一人おひとりに適した施術内容をご提案しています。

9. 参考文献

  1. Moon HJ, Chang D, Lee W. Short-term Treatment Outcomes of Facial Rejuvenation Using the Mint Lift Fine. Plastic and Reconstructive Surgery Global Open. 2020;8(4):e2775. doi.org/10.1097/GOX.0000000000002775
この記事の執筆・監修
宮﨑修平 院長
宮﨑 修平
THE LIFT CLINIC FUKUOKA 院長 / 医学博士

「たるみ治療のかかりつけ医に。」を掲げ、流行や感覚だけに頼らず、論理と医学的根拠に基づく診療を重視しています。診察・アセスメントを丁寧に行い、一人ひとりに適した治療を考えます。

  • 美容外科医 / 糸リフト・たるみ治療に特化
  • 医学博士/循環器内科専門医として慢性炎症・動脈硬化の研究に従事
  • 国内外の医学論文をもとにエビデンスに基づいた美容医療を発信
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