糸リフトって本当に持ち上がる?3D画像で「たるみの変化」を検証した研究

Director's Column

糸リフトって本当に持ち上がる?
3D画像で「たるみの変化」を検証した研究

たるみ治療の正しい知識を、わかりやすくお届けする「院長コラム」第16回
院
執筆・監修:宮﨑 修平(THE LIFT CLINIC FUKUOKA 院長/医学博士)
論理と医学的根拠に基づく診療を大切にしています。医学論文をもとに、糸リフトについて発信しています。

「糸リフトって、本当に顔の組織が持ち上がっているの?」今回は、そんな疑問を3D画像を使って客観的に検証した研究[1]をご紹介します。

糸リフトは写真によるBefore・Afterで評価されることが多い治療ですが、この研究の面白いところは、単に「上がって見える」だけではなく、実際にフェイスラインの組織位置がどのように変化したのかを数値化したことです。

結論を一言で

フェイスラインのたるみがある8名に糸リフトを行い、3Dカメラで組織位置の変化を測定した研究では、平均8.16か月後にも、耳前〜マリオネットライン間で平均3.03mm、耳前〜ジョール間で平均4.18mmの短縮(治療前と比べた変化)が確認されました。8名中6名が最終評価を完了した小規模なパイロット研究であり、この結果だけで効果や持続期間を断定することはできません。

CONTENTS
  1. 顔のたるみは「皮膚のゆるみ」だけではない
  2. 糸リフト前後を「3Dカメラ」で測定
  3. 平均8.16か月後にも変化を確認
  4. 糸リフトの特徴は「下がった組織を戻す」こと
  5. ただし、すべてのたるみに糸リフトが適しているわけではない
  6. まとめ
  7. よくある質問
  8. 自由診療に関する重要事項
  9. 参考文献

1. 顔のたるみは「皮膚のゆるみ」だけではない

年齢とともに、「フェイスラインがぼやけてきた」「口横のもたつき・ジョールが気になる」「若い頃より顔が下がって見える」と感じる方は少なくありません。

顔は皮膚だけではなく、皮下脂肪や深部脂肪、SMAS、筋肉、骨など、いくつもの層からできています。そして加齢によって、それぞれに変化が起こります。特にフェイスラインでは、重力による組織の下垂や広頸筋の作用、靱帯のゆるみなどが重なることで、ジョールが目立ち、輪郭がぼやけていきます[1]。

つまり、たるみ治療では単に「皮膚を引き締める」だけではなく、下がった組織をどうするかという視点も重要になります。

2. 糸リフト前後を「3Dカメラ」で測定

この研究では、軽度〜中等度のフェイスラインのたるみがある8名を対象に糸リフトを行いました[1]。そして、施術前(t0)→施術直後(t1)→経過観察時(t2)の顔を3Dカメラ(Vectra H1)で撮影。

耳の前から「マリオネットライン」「ジョール」までの表面距離を測定することで、糸リフトによる組織位置の変化を客観的に評価しました。

3. 平均8.16か月後にも変化を確認

結果は興味深いものでした[1]。

測定部位施術直後平均8.16か月後
耳前〜マリオネットライン間平均4.24mm短縮平均3.03mm短縮
耳前〜ジョール間平均5.54mm短縮平均4.18mm短縮

と、治療前からの変化が確認されました。もちろん、「4.18mm短縮=4.18mm真上にリフトアップした」という意味ではありません。この研究で測定しているのは、あくまで顔表面の特定ポイント間の距離の変化です。

それでも、写真を見て「なんとなく上がった」と評価するのではなく、糸リフト後の組織位置の変化を3D画像で数値として捉えた点は非常に興味深い結果です。なお、8名中6名が最終評価(t2)まで完了し、2名は経過観察の途中で脱落しています。

4. 糸リフトの特徴は「下がった組織を戻す」こと

たるみ治療には、HIFUや高周波(RF)、ヒアルロン酸などさまざまな方法があります。その中で糸リフトが持つ特徴のひとつが、下垂した皮膚や皮下組織を物理的に移動させることです。

論文でも、重力によって下方へ移動した皮膚・皮下脂肪を、後上方へ移動させてフェイスラインを整えるという考え方が説明されています[1]。

つまり、たるみ治療では、「引き締める」だけではなく、「下がった組織を適切な位置へ戻す」という考え方も大切です。これが、糸リフトがたるみ治療の選択肢のひとつとなる理由です。

糸リフト
HIFU(オリジオキス)
ヒアルロン酸注射

福岡で糸リフトについてさらに詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
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5. ただし、すべてのたるみに糸リフトが適しているわけではない

今回の研究は8名を対象とした小規模なパイロット研究で、最終的に経過を評価できたのは6名です[1]。そのため、この結果だけで糸リフトの効果や持続期間を断定することはできません。著者らも、より多くの患者さんを対象とした長期的な研究が必要としています。

また、強いたるみでは糸リフトよりも外科的なフェイスリフトが適している場合もあります。大切なのは、たるみの原因や程度に合わせて治療を選択することです。

6. まとめ

  • フェイスラインのたるみがある8名に糸リフトを行い、3Dカメラで組織位置の変化を測定した研究
  • 平均8.16か月後にも、耳前〜マリオネットライン間で平均3.03mm、耳前〜ジョール間で平均4.18mmの短縮が確認された
  • 距離の短縮=そのままの高さのリフトアップではないが、糸リフト後の組織位置の変化を客観的に数値化した点が興味深い
  • 8名中6名が完了した小規模なパイロット研究であり、効果や持続期間を断定することはできない

今回の研究では、糸リフト後のフェイスラインの変化を3D画像で測定し、平均8.16か月の経過観察時にも治療前からの組織位置の変化が確認されました。小規模な研究ではありますが、「糸リフトは、下がった組織を適切な位置へ移動させる」という治療の特徴を、客観的な数値で示した興味深い研究です。たるみ治療では「何を引き締めるか」だけではなく、「下がった組織をどう戻すか」という視点も大切だと考えています。

7. よくある質問

Q糸リフトは本当に顔が持ち上がっているのですか?
A今回ご紹介した研究では、3D画像で顔表面の特定ポイント間の距離が施術後に短縮したことが確認されています。ただし、この短縮量がそのまま「真上へのリフトアップ量」を意味するわけではなく、あくまで組織位置の変化を示す指標です。
Q糸リフトの効果はどのくらい続きますか?
A今回の研究では平均8.16か月後にも変化が確認されていますが、8名中6名が完了した小規模な研究であり、より長期の持続期間を断定できるデータではありません。糸の種類や本数、施術部位、たるみの程度によっても個人差があります。
Q強いたるみでも糸リフトで改善しますか?
A糸リフトは軽度〜中等度のたるみに適した治療です。強いたるみの場合は、外科的なフェイスリフトなど他の治療が適していることもあります。たるみの原因や程度に合わせて治療を選択することが重要です。

8. 自由診療に関する重要事項

当院の糸リフトについて

糸リフトは自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。

主なリスク・副作用:腫れ、内出血、痛み、挿入部の凹凸・陥凹、左右差、感染、糸の露出などが生じることがあります。多くは数日〜数週間で改善しますが、まれに追加処置が必要になる場合があります。

治療について:効果の持続期間には個人差があり、糸の種類・本数・施術部位・たるみの程度によっても異なります。強いたるみには他の治療が適していることもあるため、当院では診察のうえ最適な施術内容をご提案しています。

9. 参考文献

  1. Diaspro A, Luni M, Rossini G. Thread Lifting of the Jawline: A Pilot Study for Quantitative Evaluation. Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgery. 2021;14(1):47-54. doi.org/10.4103/JCAS.JCAS_41_20
この記事の執筆・監修
宮﨑修平 院長
宮﨑 修平
THE LIFT CLINIC FUKUOKA 院長 / 医学博士

「たるみ治療のかかりつけ医に。」を掲げ、流行や感覚だけに頼らず、論理と医学的根拠に基づく診療を重視しています。診察・アセスメントを丁寧に行い、一人ひとりに適した治療を考えます。

  • 美容外科医 / 糸リフト・たるみ治療に特化
  • 医学博士/循環器内科専門医として慢性炎症・動脈硬化の研究に従事
  • 国内外の医学論文をもとにエビデンスに基づいた美容医療を発信
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